『すずめの戸締まり』絆によらない救済、子になれなかったダイジン
『動物化するポストモダン』における諸概念
社会学的な話はここで追究しているキャラクター論の範疇から外れるが、東浩紀『動物化するポストモダン』には2021年現在から見ても有用な概念がいくつか提示されており、多くの議論がその枠組みに従っている。この記事では改めてそれらを整理し、議論の文脈が誰にとっても明らかになる事を期する。
以下引用は断らない限り東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(講談社、2001)に拠っている。
続きを読むキャラクター演出分析:『スライム倒して300年』よりフラットルテ
「鑑賞におけるキャラクター対パーソナリティ」において「再認と投影」「有限と無限」などの観点からキャラクター(「登場人物」一般に敷衍しても良いと思うが)の鑑賞、あるいは演出のされ方にはキャラクター性とパーソナリティ性の二面があることを見出したが、実際の作品では具体的にどう構築されているのか。
ここで今年春アニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(監督:木村延景、制作:REVOROOT)より、第10話で素晴らしいキャラクター演出がされていたフラットルテを対象にその分析を行ってみたい。
以下台詞や画の引用は全てdアニメストア配信版(©森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家)に依拠している。
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