ランダウの記号でも定式化がしたい!
Taylor 展開とは平均値の定理を繰り返し用いる事によって適当に滑らかな函数の冪級数展開を与えるものですが、何も全ての項が必要になるとは限らなくて、そういう場合に残りの項については「今気にしない程度の大きさである事」だけ分かればよい訳です。
その為の記法が Landau の記号であって、例えば に於いて で と同程度に速く減衰する項をあまり気にしない時は と書きます。
これが非常に便利ではあるのですが、同時に で「 程度の何か」を指すというのは釈然としない記法でもあります。数学的に適当な事を書いている様な印象。しかし Landau の記号が指すものを集合と看做すならば、環 上のイデアル により の への射影したものを と書く様に、集合を足したりするが如き記法も無い訳ではありません。
の筈ですから Laudau の記号がイデアルにはなりませんが、函数全体の線型部分空間と考えるとどうだろうか、というのがここからのお話です。