電王戦のコンピュータ将棋のスペック及び「人間の敗北」だと?
第2回将棋 電王戦というのがありまして、プロ棋士とコンピュータ将棋がガチバトルした訳です。それでコンピュータ側は3勝1敗1分の大殊勲だったと。
人間側完敗などと悲観的? に受け取る向きもある様ですが*1、私としては「よくもまぁコンピュータのゴリ押しでここまで戦えたなぁ」という感じです。もっと丸い表現で言えば「人間はここまでコンピュータに対抗できるのか」とでも言いましょうか。
コンピュータ将棋どころか将棋にも詳しくないのでアレですが、Wikipedia大先生によるとコンピュータ将棋の基本アルゴリズムは「評価関数の学習」と「局面の探索」に集約されるみたいです。
評価関数はその名の如く局面の有利さを評価する手段ですが、じゃあ「学習」って何だというと、要するに人間の思考をブラックボックス化してプログラムがその振舞いを模倣する様にパラメータを調節するんですね。それはもう厖大な棋譜を自動で処理して。
「探索」ってのは手当たり次第で次にあり得る局面を並び立てて、評価関数の値が高い、有利っぽい手を探す事です。
となると結局「中身は分からないが人間っぽい振る舞いをするプログラム」を作ってる訳で、そりゃ将棋には勝てるかも知れないけど、自然科学としては全き「敗北宣言」ではないかと私は思うのです。「どうしてその手を打つのか」は結局分からないのですから。
何とか人間に対抗し得るプログラムが現れ始めた事は勿論大きな一歩でしょうが、そういう訳で私は「コンピュータが人間に勝利した」というのに違和感を覚えてしまいます。
もっと人間の思考を追究し、明解なアルゴリズムによって本当に「考える」コンピュータが現れれば、電王戦に使われた様な化物級のマシンでなくとも人間が敗北を喫す日が来るであろう――というのが私の淡い期待です。
それには現在の論理ガチガチなコンピュータ・アーキテクチャでは望み薄という感じもしますが。今や細密化し過ぎたCPUはトンネル効果により回路間で漏電が起こって困ってるそうですが、寧ろそんなノイズバリバリの回路を有効活用したりとかどうかな(適当)。
兎に角その「化物級」スペックなんだよ、という主張をする為にデータを集めてたというかデータの前振りのつもりで何となく書いてたんですが完全にそっちが主題です本当にありがとうございました。以下スペック情報の引用。3GHzのCPUとか天から降ってこないかな。
第一回
さて、そのブレードサーバーは富士通の『PRIMERGY BX400 S1』のシャーシを使用。サーバーブレードが最大8枚利用できるが、今回は2800Wという電力制限(将棋会館の許容量として)があったため、6枚に抑えられた。サーバーブレードは、CPUが2つ載せられる『BX922 S2』を使用。CPUはXeon X5680(6コア/3.33GHz)、メモリーは24GB、64GBのSSDが搭載されている。この構成で1秒間に約1800万手読む性能だ。
電王戦観戦記 ほかではあまり語られない舞台裏 (週刊アスキーPLUS)
第二回
第二局
【勝】ponanza (山本一成) vs. 佐藤慎一 四段
自宅にあるマシンi7-990xEEとi7-3770K
Biglobe様に借りたxeonサーバー8台の合計10台で挑戦します。
一秒間に読める手数はおよそ3000万局面から4500万局面程度です。
*1:こうゆう所でさりげなく大嘘を吐く人とかもいるので、普通に「へーそうなんだ」と思った人は注意した方がいいですよ。